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【開発秘話】「SPF50」の幻想を超えて。私があえて数値を記さなかった理由。

差し込む日差しとVIEOTYの美容液、SPFの数値に頼らない光と影の演出

この記事の結論(90秒要約)

【問い】
「SPF50+なら安心」。その常識は、本当にあなたの肌を守るためのものでしょうか?
それとも、「店頭やオンラインで他社商品にスペック負けしないため」に、業界が植え付けたマーケティングでしょうか?

【科学的現実と矛盾】
国際規格(ISO)のSPF50を出すには、顔に「500円玉大(約1g)」という、能面のような厚塗りが必要です。
現実的な「薄付き」の量では、たとえSPF50の製品でも「SPF3〜5」程度にまで激減することが分かっています。
「塗り直せばいい」と言われても、メイクの上から500円玉大を塗り直すことなど、物理的に不可能ですよね。

【なぜ、プロは黙っているのか?】
多くの開発者や研究員は「会社員」だからです。「売れる数値(スペック)」を作らなければ、彼らの評価や会社の存続に関わるため、本音(肌への負担や矛盾)を語ることは許されません。
しかし、私は違います。私は現役の美容師であり、ハサミ一本で生計を立てているため、化粧品を売るために魂を売る必要が一切ありません。

だからこそ、私は決断しました。
新開発の「オーラカバーセラム(仮称)」には、あえてパッケージにSPF数値を記載しません。
意味のない数値証明のための試験コスト(数百万円)や、数値稼ぎのための薬剤コストを全カットし、その分を「肌が深呼吸できるVIEOTY最高峰のスキンケア成分」だけに全投資します。

「直射日光は日傘などで100%遮断し、隙間から入る光は美容液で優しく防ぐ」
これが、しがらみのない私が提案する、最も合理的で誠実な守り方です。

この記事の全体像

序章:数値という「安心」を
買っていませんか?

表参道のサロンやVBG(非公開コミュニティ)で、日々お客様とスキンケアのお話をしていると、不思議に思うことがあります。

「私、一年中SPF50の日焼け止めを塗っているのに、肌がくすむし、乾燥が止まらないんです…」

本来、肌を守るはずのものが、肌を疲れさせている──。

これは決して珍しいことではありません。

化粧品業界において、SPFやPAという数値は絶対的な正義です。しかし、開発者として裏側の世界を知れば知るほど、私はある一つの疑問を抱かずにはいられませんでした。

「その数値は、本当にお客様の生活の中で発揮されているのだろうか?」

この記事では、業界ではタブー視されがちな「SPF測定の不都合な真実」と、VIEOTYが選んだ「数値よりも肌を愛する」という新たな選択肢について、科学的データをもとにお話しします。

第1章:乖離する現実
「2mg/cm²」の壁

まず、皆様に知っていただきたい数字があります。それは、SPF値を測定する際の「塗布量」です。

1.1 国際規格の「厚塗り」ルール

世界共通の測定基準(ISO 24444)では、皮膚1平方センチメートルあたり「2.0mg」の日焼け止めを塗った状態で数値を測ることが義務付けられています。


「2mg」と言われてもピンとこないかもしれませんが、顔全体(約400cm²)に換算すると約1.0g。これは、一般的に推奨されるパール粒の3倍〜4倍、「500円玉硬貨大」以上の量になります。

SPF50を出すために必要な塗布量(500円玉大)と一般的な使用量(パール粒)の比較画像
左:ISO規格の量(SPF50が出る量)
右:私たちが普段塗る・推奨されている量

もし、リキッドファンデーションやBB・CCクリームでこの量を塗ればどうなるか。能面のように真っ白になり、表情ジワに入り込み、とても外を歩ける状態ではありません。

1.2 日常使いでは「SPF50」は幻になる

多くの調査によると、私たちが日常的に塗っている量は平均して「0.5mg/cm²」程度(規格の1/4)だと言われています。


では、塗る量が1/4になれば、効果も1/4になるのでしょうか?

残念ながら、紫外線防御の世界はそう単純ではありません。塗布膜が薄くなり、肌のキメ(凹凸)の隙間ができることで、防御力は劇的に低下します。

■ 試験室での世界
(2.0mg/cm² 厚塗り)

SPF 50+

パッケージに
書かれる数値

■ 私たちの日常
(0.5mg/cm² 薄付き)

SPF 3 〜 5

実際の防御力(推計値)

SPF3〜5というのは、素肌よりはマシですが、真夏の太陽の下では心許ない数値です。

「SPF50を使っているから大丈夫」という過信こそが、逆に無防備な日焼けを招いている。
これが、私が懸念する「日焼け止めパラドックス」です。

1.3 「能面」で街を歩けますか? 維持できない防御膜

仮に、もしあなたが毎朝、規定量の「500円玉大」を塗ったとしましょう。

その顔は真っ白になり、厚塗り感で表情すら動かしにくくなるはずです。しかし、問題はそこだけではありません。 最大の嘘は「朝の数値が夕方まで続く」という錯覚です。

  • 物理的崩壊:厚塗りした膜ほど、表情の動きや瞬きで「ひび割れ」が起きやすくなります。
  • 皮脂との乳化:人間の肌は常に皮脂を出します。どんな強力なポリマーでも、数時間経てば皮脂と混ざり、ドロドロに崩れます。

「SPF50」という数値は、あくまで「塗り直した瞬間」かつ「動かない状態」でのデータに過ぎません。 崩れて隙間だらけになった防御膜に、表示通りの数値など存在しないのです。

第2章:高SPFの代償
「落とす負担」という本末転倒

数値を維持するためには、もう一つの代償が必要です。それが「肌への負担」です。

2.1 守るために、壊していないか?

SPF50+を実現し、かつ汗で流れないようにするためには、高濃度の「紫外線吸収剤・散乱剤」に加え、強力な「皮膜形成剤(ポリマー)」が必要です。


これらは、洗顔料の泡だけでは落ちません。必ずと言っていいほど、洗浄力の高いクレンジングオイルや、ダブル洗顔が必要になります。

「光老化を防ぐために強力な日焼け止めを塗り、それを落とすために強力な洗顔をして、肌のバリア機能(セラミド)まで洗い流してしまう」

これでは、紫外線による老化を防げても、「乾燥」と「炎症」による老化を加速させてしまいます。特に皮脂量が減ってくる40代以降の肌にとって、このダメージは致命的です。

【裏話】なぜ、業界のプロは本当のことを言わないのか?

ここからは少し、化粧品業界の「不都合な真実」をお話しします。読みたくない方は飛ばしてください。

1. 「売る論理」と「作る論理」の決定的な違い

化粧品の「売り手(マーケター)」と「作り手(研究員)」は、全く別の生き物です。 真面目な研究員ほど「SPF50を常用するのは肌に悪影響だ」「この成分濃度では効果より刺激が勝る」と知っています。

しかし、彼らは会社員です。「SPF50でないと棚に置いてもらえない」「他社よりスペックが高くないと売れない」という会社の命令(マーケティング)には逆らえません。 よく目にする開発秘話では、台本通りの演技を強いられているのが実情だと考えています。

2. インフルエンサーが見ていない世界

「化粧品検定1級」や「成分解析」を謳うインフルエンサーも増えましたが、彼らの情報の多くは教科書レベルか、ネットで拾えるスペック比較に過ぎません。 工場で実際に原料を混ぜ、原価率と戦い、OEMメーカーと折衝した経験がないため、「なぜその処方にならざるを得なかったか(コストカットや見せかけのテクスチャ調整)」という裏側までは見抜けません。 また、多くのアフィリエイトやPR案件において、クライアントの商品を批判することは契約上不可能で、案件が来なくなる・売れにくくなるため収入も減ります。

3. 私が本音を語れる理由

なぜ私が、自社製品の数値をあえて書かず、このようなリスクある発言をするのか。 それは私が「現役の美容師」であり、VIEOTYの売上がなくても、ハサミ一本でお客様を美しくし、生計を立てられるからです。

私には、業界の「横のつながり」も「しがらみ」も一切ありません。 売れるために魂を売る必要がない。だからこそ、「自分が本当に家族や顧客に使わせたいもの」だけを、一切の妥協なく作ることができるのです。

第3章:HERAIの決断
「In Silico」とハイブリッド防御

そこで、VIEOTYは決断しました。
いたちごっこのような数値競争から降り、「肌の恒常性」を守ることを最優先にすると。

3.1 試験コストを「中身」に還元する

「数値を書かないということは、何も検証していないのか?」
いいえ、違います。

現代の化粧品科学には「In Silico(イン・シリコ)」という技術があります。

これは成分の配合率から、計算上でSPF値を予測するシミュレーション技術です。

専門家は、高額な臨床試験(ヒト試験)を行わなくとも、設計段階で「この処方なら日常生活レベルの防御力がある」ことを把握しています。

パッケージに「SPF50」と印刷するためだけに、数百万円の試験費用と時間をかけること。そして数値を出すために、肌に不要な成分を増量すること。

私はそれをやめました。その予算をすべて、希少なオーガニック精油や、エイジングケア成分の増量に充てることを選びました。

3.2 「日傘」+「美容液」= 最強の守り

私が提案するのは、単品で全てを防ごうとしない「ハイブリッド防御」です。

  • STEP 1(日傘・帽子):最も強烈な「直射日光」は、物理的な日傘で100%カットする。これが肌にとって一番安全で確実です。
  • STEP 2(オーラカバーセラム):日傘の隙間から入り込む、柔らかい「拡散光(反射光)」を、美容液に含まれるミネラルパウダーのベールで優しく跳ね返す。

この役割分担であれば、肌に負担のかかる高濃度な紫外線カット成分は必要ありません。
石鹸や優しいミルククレンジングでスルリと落ちる。だから、肌のバリア機能が守られ、自らの力で潤う肌が育つ。

これこそが、VIEOTYが目指す「統合美容学」の答えです。

結論:数値に頼らず、
「知恵」を纏う。

私は、開発者である以前に、一人の人間として、自分の肌を大切にしたいと願っています。


私自身、敏感・乾燥肌なので夏場はたとえ3分の外出でも日傘を差しますし、室内のカーテンも年中閉めっきりです。

それは「焼きたくない」という執着ではなく、「肌を痛めつけたくない」という慈しみからです。


今回開発している「オーラカバーセラム(仮)」は、そんな私の想いを形にしたものです。


季節やシーン、その日の予定に合わせて、「ドレスグロウ」や「ルミーナドロップ」と重ねて、ご自身で心地よいカバー力に調整してください。誰かに決められた数値ではなく、あなたの肌感覚こそが、正解を知っているはずです。

よくあるご質問と「本音」の回答

Q. 自転車や荷物で、どうしても日傘が差せません。

A. 「塗るだけ」で防ごうとせず、帽子(サンバイザー)やサングラスを活用してください。
直射日光を浴び続ける状況では、どんな高数値のクリームも(薄塗りでは)無力です。
日傘が難しい場合は、つば広の帽子で物理的な影を作ってください。

それすらできない過酷な環境(炎天下のレジャー等)ならば、肌への負担(乾燥・刺激)という代償を払ってでも、使用量を気にせず使える価格の強力な日焼け止めを使用し、「屋内に入ったら即座に洗い流す」
この「割り切り」こそが、肌を守る現実的な知恵です。

Q. 化粧下地(ベース)を使えば、肌は守られますか?

A. 多くの場合、それは「肌のアラを隠す」ためのものです。 一般的に推奨される「化粧下地」の多くは、シリコンなどで肌の凹凸を埋め、ファンデーションのノリを良くするためのものです。品質をごまかすための「パテ埋め」と言ってもいいかもしれません。

VIEOTYが目指すのは、下地で埋める必要のない、生命力あふれる素肌です。「オーラカバーセラム」は、隠すのではなく、光を味方につける発想で作られています。



Q. 日中の塗り直しはどうすればいいですか?

A. そもそも、メイクの上から完璧な塗り直しなど不可能ですよね。 メイクの上から日焼け止めを「規定量(500円玉大)」塗り直せば、顔は崩壊します。

だからこそ、数値に固執するのをやめてください。日傘で直射日光を遮り、物理的に防御する。そして、崩れても汚くならない心地よいテクスチャー(薄付き)の「オーラカバーセラム」などを、気になった時に美容液感覚で優しく馴染ませる。

これが最も理にかなった、大人の維持方法です。

ただ、私の顧客が、生涯使い続けられる「本物」だけを残したい。

■ 私のスタンスについて

このような記事にある業界の常識に背く考えが、すぐに全ての方に受け入れられるとは思っていません。

これからも、お客様の実感・声こそが正義であり、私は常に耳を傾けます。また、先端の化粧品開発技術も学び続け、もし考え方が変われば、この記事を修正することに躊躇はありません。

ただ、もしその「不安」が、ご自身の実感ではなく、業界のマーケティングによって植え付けられた感覚・感情論によるものであれば……私は売り手ではなく作り手としての考えをお伝えいたします。それが貴方の肌を守る道だと信じているからです。

とはいえ、それを受け入れるかどうかも含め、決めるのはお客様ご自身です。
私は聞かれたら、お客様の価値観・理解度に合わせて全てをお話ししたいと考えています。「押し売り」と思われたくないので反応次第でお話する量と内容を変えています。

※注釈・専門用語解説
  1. ISO 24444:日焼け止めのSPF測定方法を定めた国際規格。製品の比較には有用ですが、実使用量とは乖離があることが業界の課題となっています。
  2. スペック競争(数値至上主義):肌への負担や実用性よりも、「他社より高い数値をパッケージに書くこと」を優先するマーケティング手法。店頭で手に取らせるための手段であり、必ずしも肌の安全を保証するものではありません。
  3. SPF50とSPF30の違い:紫外線の防御率(カット率)において、SPF30は約97%、SPF50は約98%です。その差はわずか「1%」ですが、その1%を埋めるために必要な紫外線吸収剤やポリマーの量は跳ね上がります。リスクと効果が見合っていないのが現状です。
  4. In Silico(イン・シリコ):コンピュータ上でのシミュレーションのこと。処方設計の段階で、紫外線防御効果の理論値を算出する高度な技術です。
  5. Inflammaging(インフラエイジング):「炎症(Inflammation)」と「老化(Aging)」を組み合わせた造語。微弱な慢性的炎症が、シミやシワの原因となること。
  6. 本製品の位置づけ:本製品は薬機法上の「日焼け止め」ではなく、メーキャップ効果により乾燥や紫外線などの外的刺激から肌を守る「美容液」です。


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